まつげ長いなぁ。綺麗な顔・・・。
布団の中で目を閉じるロイの姿に、少し見惚れる。
視線に気付いたかのように、ロイがうっすらと目をあける。
「起きたのね。ちょうど良かった。身体を拭いて・・・」
「・・・・・風邪なんて、もう治った」
「お願いだからいい子にして。着替えを持ってきたから」
こんなに長引くとは本人も思ってなかったみたい。
昨日なんか、仕事に行くって無理に起き出して、引き止めるのが大変だった。
思い余って、逃げないように手錠でベットにつないだくらい。
私がそんなことするとは思わなかったロイは、
穴が開くほど手錠と繋がれたベットを凝視していたっけ。
緊急事態なんだから仕方ないでしょ、と言ったら「・・・覚えてろ」と捨て台詞。
あのロイは、ちょっと怖かった・・・。
「ほら。いい子にしてて・・・・寝れば治るわよ。風邪くらい」
ロイの身体を起こして、寝間着をぬがせようとボタンに手を伸ばした。
途端、視界がくるりと回って、ぽふ、と背中で音がする。
「・・・・・・それはいい案だ」
気付けば仰向けになった私を見下ろすロイの余裕の笑顔。
力ずくで押し倒された私は、なす術もなく仰向いている。
「ロイ・・・熱があるんでしょ?」
「君と寝れば治る」
反論しようとした唇をキスで塞がれた。
風邪を引いて弱ってるはずなのに、なんでこんなに元気なの!?
肌に吸い付くようなロイの手のひら。
最初は抵抗してみたものの、愛撫にこらえきれず、結局私は身を委ねた。
そして翌日。
「この治療法は新しいが、確かによく効いたようだな」
すっきりと完治したロイが司令部へ向かった。
後に残された私は、ベットから立ち上がれない。
風邪をうつされるなんてお約束すぎる・・・。
「今度は私が介抱してあげるから、ゆっくり休みなさい」
ロイは極上の笑顔で、おでこに冷やしたタオルを乗せてくれた。
帰ってきたらきっと、おかゆも食べさせてくれるし、後片付けもしてくれる。
からだも拭いてくれて、着替えも手伝って・・・・?
ふとよぎった想像に、青くなる。
おもちゃにされることが目に見えてる!
・・・・・・・・・・それは嫌だ。心底、嫌!!
何が何でも、即刻治そう。
風邪をひいてワガママになったロイになんか、もう絶対許さないから!
私は固い決意を胸に、ベットに繋がれた手錠をがちゃりと引っ張った。
逃げないように、というロイ。一昨日私が、これをロイに使った仕返し。
だるくて熱いため息が出た。あきらめて布団に顔をうずめる。
それでも、ぬくもりの残る布団は、ロイの匂い。
私は変に安心して、ゆっくりとまどろんだ。
仕方ないから、今日は一日ゆっくり寝て、ロイの帰りを待つことにしよう。
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手錠遊びで大人なのっていうと、かなりハードなものを想像しちゃったんですが・・・
そうすると、オモテに置けないだけじゃなく、お話が長くなって小話に収まらない、多分(笑)