「私についてこい」


そういうロイに、私は黙って首を横に振る。
ごめんなさい。期待には添えない。



疲れちゃったのかな・・・最近ずっと、頑張れてない自分が嫌になる。



ロイは強い光を放つ眼で、私のことをじっと見てる。




私のこと、信じてくれてる。
一緒にいかないなんてありえないと思ってるんでしょう。



でもね・・・ごめんなさい。一緒にはいけない。



あなたは、進んでいく。とてもとても早いスピードで。
私は、隣で一緒にいようと頑張ったけど、足がもつれて転んでしまう。


そしたら貴方は私を置いていけないでしょう?
優しい人。でも、足手まといは嫌なの。



隣を選ばなかったことを、私が後悔しないように、
どうか貴方はまっすぐ進んでいって。



私はずっと、ココで見てるから。






そう言うと、ロイは強い力を放つその視線を、ふっと緩めた。



「なら君は、ココでずっと私を見ていてくれ」



その言葉に、寂しい気持ちを抑えて頷く。
別れるって、なんてあっけない・・・



「海原を照らす灯台のようにね」



彼が見透かすように微笑む。
きょとん、と私は顔を上げる。
その言葉の意味するところに、なかなか辿り着けない。
ロイは面白そうにくすくす笑い出す。



「言葉なんてどうだっていいんだ。手放さないよ。たとえそれを君が望んだとしてもね」



だんだん理解してきた頭の中。
その言葉の意味も、彼の意図も。


私がついてかなくても置き去りでも、手放すつもりはさらさらないってこと。



貴方って、本当に時々信じられない!


ねえ。足手まといになってもいいの?
目指すところがあるんでしょう?私が邪魔になるかもしれないのに!




そんなふうにいうと、彼はもう一度いたずらっぽく微笑んだ。
何の問題もない、とでも言うように。



そんな彼の自信に満ちた顔が、スゴイと思った。
私なんかじゃ、彼の足を遅らせる原因にすらならないのね。
彼は彼なりに進んでいく。私は、それを見守っていく。


それはなんて安心できる関係なんだろう。
嬉しくて、私はもう一度頑張れそうな気がしてきた。




ありがとう、いつも。貴方が私に元気をくれる。









信じられない=予想外っていうことで。大人な世界を意識してみました。

1000hitお礼拍手小話ロイ版です。