「ちゃん、結局断ったらしいです!」
喜色満面のフェリー曹長が、ブレダに報告してきた。
意表をつかれたものの、やはりいつもどおりの無表情でブレダが「ふうん」とつぶやく。
「何で断ったんだろうな。アレかな、一度告白されてるからかな?」
「そうみたいです。『友達として、またみんなで飲みに行きましょうね』って。
遠まわしですけど、ハッキリ断ってましたから!」
「現場を見てきたみたいな言い方だな」
「昨日の返事が気になって・・・ちゃんの背中を見たときに追いかけて」
「・・・・・ストーカー?」
そんなブレダに、フェリー曹長が苦笑する。
「偶然ですよ。ちょうど、憲兵の彼もちゃんに返事を聞きに来ていて・・・
まさか出るに出られなかったですが、こっそり聞いちゃいました。気になって」
「そっか、偶然か。暇人!て思ったぞ俺は」
フェリーが軽く笑いながら、声を潜める。
「その言葉、ハボック少尉に差し上げますよ。あんだけ激務なのに、女口説いてます」
「・・・・は!?」
フェリーの話によると。
どうやらハボックは、他の部署の美女をデートに誘って、成功したらしい。
「・・・・それって、は失恋したってことか。
かわいそうに、ハボックみたいなバカヤロウに惚れたばっかりに」
「でも、ちゃんモテますから・・・」
「じゃあ、他に持ってかれる前にお前が奪っちまえよ」
「ブレダ少尉!?」
いちいち面倒くさい、とブレダが吐き捨てる。
フェリーが苦笑して肩を落とした。
「そういえば、上司が変わるかも知れないですよ」
「あ?・・・・ああ、大佐がセントラルに移動するかもって話か」
「ご存知でしたか」
「まあな・・・でも、俺らには関係ないだろ。多分」
「そうですね。多分・・・」
セントラルといえば栄転に違いないから、引き抜かれるならそれは出世ということ。
近いうちにそれが現実になるとは、まだ誰も知らない。
