雪に願う0





女性に贈るプレゼントといえば
確実に喜ばれるのはヒカリモノ、と相場は決まっている。
少なくとも自分はそう信じている。



となると、やはり・・・・



「ダイヤとか誕生石とか、そのへんだろうか・・・」


うっかり独り言をつぶやいてしまったところに、たまたまファルマンが居合わせた。


「大佐、贈り物ですか?誕生石はいいですね。
身に着けていると、お守りになると言われていますから」
「そうなのか?」

身体を起こして聞く体勢を取ると、ファルマンが語りだす。

「石にもいろいろな意味があったり、年・月・日・星座などによっても守護石が変わってくるん
ですよ。たとえば・・・」



この道何十年の宝石商も顔負けのウンチクが続く。
どんな情報でも引き出せる便利な男だとは思ったが、なぜ宝石の知識まで。


しかも365日分の誕生日石と、石の意味まで暗記してるとは
自分の部下ながら、この男の頭はいったいどうなってるんだ?



しばらく感心して聞き入ってしまったが、そんなことをしている暇はない。

中尉が戻ってきたら、仕事をせっつかれてしまう。
なんとしても、その前に司令部を抜け出したい。


「ファルマン、この日は、守護石は何かね?」
「はあ・・・?それですと、確か・・・」









ファルマン、お前は最高だ!
石の意味を聞いたときに確信した。これ以上の贈り物はない。


中尉に見つかる前に官舎を出た。
事前に電話で頼んであるから、あとは目で見て選ぶだけ。


「すぐ戻る」



木枯らしも、白い息も気にならないくらい、浮き立つ気持ちを抱えて
幸せな気持ちで道を急いだ。恋人を喜ばす準備をするために。